㊻旅立つ日まで

 今日はまたホカホカ日和。ボニーをバギーに乗せてO公園までいったら、たくさんの犬友達がいて、ボニーは尻尾を振って喜んでいた。
 でも若い子たひの取っ組み合いの遊びには入れないから、少し離れたところで、少し落ち着いた歳の子と2匹でやんちゃっ子たちの遊びを眺めていた。
 
 飼い主はみな自分の犬が一番可愛いと思うものだけれども、ボニーは近所のみんなが可愛がってくれて、ほんとうに人気者だと思う。人懐っこさと優しさが顔一面に出ているから、みんな可愛がってくれる。この子を飼えたことを犬の神様に感謝するばかりだ。

 実は、ボニーが家に来る前は、家族間の様々な人間関係の軋轢に悩み、大袈裟だけれども、もうダメだ死ぬ、というくらい追い詰められていた。でもボニーが来てくれて、一気に状況は変わった。家族みんながボニーによって救われた。
 
 しかしボニーが旅立つ日が近づいてきている。だからぼくも一緒にボニーとともにここから旅立つ心の準備をしている。

 どこへ?

 別に死ぬわけじゃない。ボニーがいなくなったこの場所には、もうい続ける必要はなくなるということだけだ。

 でもまだまだボニーは生きようとしている。だからぼくもここにいようと思う。今年はまだO公園の桜も見ていないから、もうしばらくはボニーとゆっくり過ごそう。


 十五年遠吠えひとつしなかった
 友と今宵春月を眺める 







 

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