㉓3度目の脳梗塞発作が起きた

 今朝、6時半に起きてボニーのところに行ったら、首が妙に斜めになっていて、ああ、とすぐに察した。また脳梗塞の発作が起きてしまったと。でもボニーは尻尾を振ってぼくを
迎えてくれた。
 
 3度目だから慣れてしまったというか、すぐに目の動きを見た。脳梗塞になると、人間も同じらしいが、眼振といって目がぐるぐると回りはじめる。

 そのときボニーの目はしっかりとぼくを見つめていた。よし、と思い、ハーネスをつけて庭でおしっことうんちをさせて、ご飯をあげた。食欲はあり、傾いた首で不自由だったけど全部平らげた。

 よし、と思ってぼくが朝ごはんを食べていたとき、ボニーの目がぐるぐると動きはじめた。ああやはり、とすぐにボニーを抱えて車に乗せて獣医さんに連れていった。

 三度目の正直、ということばが脳裏をよぎったが、ボニーは必死に、動き回る目でぼくを捉えようとしていた。ボニーが諦めていない以上、ぼくは諦められない。

 夜まで病院にあずけたところ、症状が安定したため家に帰れますと先生がいうので、ボニーを連れて帰ってきた。先生は、2年前の最初の発作の際のことをよく考慮してくれた。

 あのとき入院中にどんどんボニーが衰えてゆき、ついには意識混濁となったとき、このまま亡くなる可能性があると言うので、ならば家で看取りたいと申し出て無理やり家に連れ帰ったら、奇跡的に徐々にボニーは元気を取り戻し、ついに歩きはじめたのだ。

 2回目もそうだった。だから今日も、先生はボニーのことを思って、家にいるのが一番と判断してくれた。

 でもこれから1週間くらいは安静に過ごし、少しずつ回復をしていくようにしっかり看病しようと思う。

 ボニーはいま安心して眠りについた。
 がんばろうね、ボニー。


 病んでゆく老犬を迎えにいくために駆け抜ける国道を満月は照らした

 





 

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