㉜犬と過ごしてきた季節

 今日も小春日和。まだ2月なのに、こんなにポカポカとしているのはボニーにとっては幸いだった。脳梗塞は、やはり血管が梗塞しているということだから、真冬の冷えは一番良くないと思う。ぼくは呑気だったかもしれない。雪が積もって、昔みたいにボニーが雪原を大はしゃぎして走り回るのをもう一度見たいなんて思っていたが、そんなことは15歳をすぎたボニーの現実から目を背けていることなんだと思う。

 だから今日もポカポカの陽気の中、バギーに乗せて昨日よりもっと遠くのO公園まで行った。1週間以上行かないうちに、早咲きの桜が咲きはじめていた。15年間ボニーとずっと眺めてきた桜を、今年も見れたね、と嬉しくなった。

 季節はただ巡るだけなのだけれど、巡りのなかでふと、生きてきたんだと思わせてくれる一瞬がある。きっと来年は一緒には来れないのだから、今年のこの季節の巡りをボニーとめいっぱい大切に過ごしていこうと思う。

 巡りゆくときの流れに身を任せ老いゆく友と花を眺める





 

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