㊲犬が見る夢

 穏やかな晴天。15時頃、ボニーをバギーに乗せてO公園まで行き、入り口の満開の桜を見て、O公園をぐるりと一周した。ボニーは途中からバギーから降ろして歩いたが、やはり脳梗塞の後遺症で真っ直ぐは歩けない。どうしても左側へと斜めに進んでしまう。

 しかしボニーは散歩が大好きでたまらないようだ。斜めに進みながらも、ニコニコしながら一生懸命に歩いた。久々にたくさん歩いたせいか、散歩の後、夕ご飯を食べてからぐっすり寝ている。

 ときどきボニーは夢を見ているのだろうかと思う。寝ながら、バタンバタンと尻尾を振るときがある。きっと楽しい夢を見ているんだろうな、と思うが、どんな夢なのだろう。 
 ふと村上昭夫というシベリアに抑留されていた詩人が、

 犬の食物は月のかけら
 犬の飲物は月のひかり

と、ある詩に書いていたのを思い出す。そんな夢を見ているのかもしれない。

 明日も晴れのようだ。久々に大好きな海に行こう。


 夢のなか月夜の森に立つ友の鼾を聞いて心やすらむ




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