⑱犬のために生きること

 今日のボニーは、昨日ぐっすり眠って英気を養ったせいか、とても元気に近所のO公園でずんずんと歩いた。「待て待て!」と呼んでも、転ばずに歩くので、バギーを引きずりながら追いかけて、やっとのことで追いついた。

 元気なのは何よりなのだけれども、やはり最後は足がもつれて、すてん、と転んでしまう。怪我をするのが心配だから、「待て待て! ストップ!」と叫ぶのだけれども、止まらない。やっと追いついた後も、ハーネスで支えながら、ボニー自身の判断で立ち止まるまで歩かなければならない。

 で、立ち止まったときは決まっておしっこかうんち。よしよしと褒めてバギーにのせる。


 散歩が大好きだったボニー。歩けなくなることなんか考えてもいないようだ。歩けなくなっても歩きたい。そうに決まっている。だから歩く。何度転んでも歩く。だからぼくはそばにいて歩く。
 
 そんな毎日を最近過ごしていると、自分は犬のために生きているのだなと思う。それは今までぼくを生かしてくれたこの子への恩返しではなくて、ぼく自身のためなのだと思う。

 歩けなくても歩く。そんなボニーにぼくは励まされている。ボニーのために生きることは、ぼく自身が生きることと同じだと気づく今日この頃。

 
 生きて死ぬただそれだけのことだよと老いし犬はどこまでも歩く
 

 

コメント

  1. 匂いや風をたくさん感じてね。
    ボニーかわいいよ。エル

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