(53)親友としての距離も大事だ

 今日はまた雨。日々、雨と晴が交互に来るので、ボニーもなんだか忙しない感じだ。でも天気には勝てないから仕方ない。むしろこんな日は部屋の中の平らな絨毯の上で、立ったり座ったりを繰り返している方が、弱った足のリハビリにはいいと思う。

 案外ボニーは一人好きなところがあって、ずっと遊ぼうとすると、「もういい」とぷいとハウスに戻る。歳もあって、いろいろ気を使うのが面倒なんだろうなと思う。突然ハウスに戻るボニーの後ろ姿を見て、ちょっとショックを受けるが、そういう犬の気持ちも大事にしたい。

 それで今日は静かに、距離を置いて過ごそうと、犬の祖先である狼についての本を読んだりしていた。特に古来から世界各地にある「狼伝説」は面白い。まだ読み終わっていないから、読み終わったらブログで書いてみたいが、とにかく狼は、人間に化ける恐ろしい異界の存在で、あの「赤ずきんちゃん」は代表的な逸話。

 でも犬はもっと人間の側にいて、畏怖すべきものではない。チャップリンの映画に「犬の生活」というのがあったけど、人間の感情に寄り添って一緒に悲しんだり、喜んだり、ドタバタしたり、とにかく犬は人間にとって、ずっと一緒にいていい親友だ。

 だからこそ、今日は晩年のボニーの静かな一日を、ほんとうの友達として、少し離れて過ごしていた。

 狼がいつの間にか犬となり
 友となりしは今宵であるかも



  



 
 

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