(74)喪失からの道のり17.触れられない辛さ

 昨日は疲れきったのでブログを休んで早く寝たのだけども、深夜に目が覚めてしまい、やっぱり書こうと思った。毎日続けてるから、少しでも。

 新型コロナによるさまざまな影響で生活が激変し、経済的にもこの先どうなるのか見通しが立たない。中小企業を営む実家にいて、いままでにない危機だ。家族もみんなどこかイライラとしはじめて、会話もギクシャクとしている。

 こんなとき、ボニーがいてくれたら、と思う。思いっきり抱きしめて、あの暖かい毛に顔を埋めて匂いを嗅ぎたい。そうするといつもボニーは嫌がって体を捩らせるけれども、あの愛おしい感覚を味わいたい。でもボニーはもういない。

 ふと、いまテレビをつけたら、NHKでグリーンランドの狩人の犬橇の映像が流れてる。子供のころに観た健さん主演の映画『南極物語』の世界だ。10頭ほどの橇をひく犬たち。厳寒の土地で激しい労働を強いられる犬たちはかわいそうだけれども、その懸命に働く姿と、途中で休んでるときの健やかな寝顔に胸が締め付けられる。犬たちはなんて楽しそうに走っているんだ! きっと狩人たちは犬たちを愛をもって育ててるのだろう。生きるためのなんていう人と犬の絆の逞しさ。

 遠くに旅に出たいなあと思いつつ、もう2時半に近くなってきたからそろそろまた寝よう。

 
 いつまでも側にいると信じつつ触れられぬ君はいずこにいるか



(去年、鵠沼海岸で)

 
 

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